「槙さん、お待たせ」




駅につくと、
すでに槙さんの車は、止まっていた。




銅像の前に止まっている黒い高価そうな車は、
すぐに槙さんのものだと分かる。




槙さんはきっと、車が好きなのだろう。




いつも、車内も外見も、綺麗にしている。




あたしは正直、車のことはよく、
分からないけれど。




「待ってないよ。さ、乗って」




槙さんは、優しく笑いながら、ドアを開けてくれる。




こう言うときいつも思う。




やっぱり槙さんは、大人なのだと。