あたしの答えが意外だったのか、
槙さんは、目を丸くした。




こうやって大きいリアクションとる槙さんも、珍しいかも。




「自分で提案したのに」




「あ、いや、うん、そうなんだけど」




「あたしもそれには賛成」




結婚して、色々いきなり新しく始まったら、
絶対に気持ちがついていかない。




あたしは“主婦”“奥さん”っていう、
二つの新しいポジションを手に入れる。




それはあたしにとって、未知の世界だ。




「……本当に?」




「うん、槙さんさえ良かったら、お願いします」




「いや、こっちがお願いします」