『カラオケ』、『仮装大会』、『ビンゴゲーム…』
意外にもいろんな案が出た。全部で十個。
この中から多数決で決めることになる。ちなみに私と荒井が提案したのは一番意見の多かったカラオケだった。クリスマスソングをみんなで歌えたらな、って思って。
「はい、では多数決を取ります。代表者が黒板に書きに来て下さい」
中里君がそう言い、クラスの代表者が前に出ていった。私は荒井とジャンケンをして勝ったので彼に託した。
ザワザワとした教室の中、外に目を向けるともう真っ暗になっていた。時刻は六時を過ぎていた。
「この結果を先生に見せてから決めます。次の委員会の日は十二月十日です。忘れないように出席してくださいね」
笹原さんがそう呼びかけると、皆は一斉に立ち上がり帰る準備をした。
中里君は黒板の情報をノートに書き写していた。
「じゃあ、お先ーっ」
机の上を片付けてる私に荒井が手を振った。私は笑顔で返し、視線を彼の方へと移動させる。ノートを書き終え、鞄にしまっているところだった。
「中里君」
私は話す言葉が見当たらないまま彼に話し掛けてしまった。
「あっ、お疲れ様」
彼はびっくりしたように顔を上げた。
どうしよう。言葉が見つからない。
「外暗いね、一緒に出よっか」
「うん」
私の気持ちを察したのか、気を使ってくれたのかはわからないが彼はそう言って笑顔を見せてくれた。
こうして、私はいつも中里君の行動を見てる。
タイミングを見計らって…。