キーンコーンカーンコーン‥


チャイムと同時に先生は講義のレジュメと出席カードを前の席の子たちに適当に配っていく。


そして少し経つと‥


「出席カードとレジュメを配ってますんで後ろで適当に調整してください」


来たっ!!


この言葉を先生が言うと必ず状況を把握しに後ろに来てくれるのです!!


そして適当にとか言いながらも絶対に調整するのを手伝ってくれる優しい先生。



「あー今日は出席カードが足りひんわぁ」


ちょうどマキと奈々までしか出席カードが回らなかったようだ。


「ってことは‥」


隣で友恵が楽しそうに微笑んでいる。


あたしは友恵を見て大きく頷く。たぶん顔はニヤけてるかもしれない。



「足りないですか?」


左側の席に座ってたあたしのところに先生が来てあたしの返事を待っている。


「は、はい‥。2枚‥足りないです。」


先生に見られるだけでうまく喋れなくなる。


別に可愛い子のフリをしているわけじゃないのに少しだけ声が高くなってしまう。


「待ってて下さいね」


先生は少し笑顔をあたしに向けると余ってる出席カードを探してくれる。


隣では友恵が肘であたしをおちょくっている。


前ではマキと奈々が「よかったやん」と笑みを浮かべて耳打ちをしてくれた。