「ああー。わかったから」


蓮君はあたしの頭をポンポンと優しく撫でた。


「立てるか?」


そう言って、あたしの脇のあたりを支えて立たそうとする。


だけど

「痛っ……」

あたしの足首は思ったより重症でなんとか立ち上がれたものの、歩き出す事ができない。


そんなあたしに蓮君は少しかがんで背を向けた。

どうやら、あたしをおぶってくれるらしい。

一方、あたしの方はそんな蓮君の行動に戸惑っていた。

いつまでも背中に乗ろうとしないあたしに蓮君はいぶかしげな顔を向ける。


「タクシー拾うよ。お前、その足じゃ帰れねーだろ? あっちの大通りに出るまでだから。な?」


「い…いいよ。あたし重いもん」


「んなこと言ってる場合じゃないだろ?」


「蓮君……そうじゃなくて」


「ん?」


「あたし……スカートだから」


今日着ているミニのワンピース。

この服装で背負われると、かなりきわどいポーズになりそうなんだもん。

あたしの言葉を聞いた蓮君は自分のシャツを脱ぎだした。


「れ……蓮君?」