「別に誤解されててもいいって。元カノなの、あいつ。ちょっと前に別れたとこ」


元カノ?

そ……そうか。

別れてすぐに、他の女の子と一緒にいたから。

それで『サイテー』なんて言ったんだ。

だとしてもやっぱり……。

「ダメだよ。誤解されたままじゃ……。あたし、やっぱり言ってくる」

そう言うとあたしは蓮君の腕を振り解いて走り出した。


8センチヒールのせいで、一歩踏み出すたびに足がズキズキと痛む。

だけど、走り続けなきゃ。

蓮君があたしのせいで誤解されたままなんて、嫌だもん。

だけど、そんな想いもむなしく……


「きゃ……」