――バタンッ


また扉が乱暴に開けられる音が響いた。


みんながそちらへ視線を向けると


「日向ちゃんっ!」


真っ青な顔した律子さんと森本さんが立っていた。


二人はバタバタとあたしのベッドの前までやってくる。


「蓮哉から連絡もらってビックリして……」


ああ、そうか。

蓮君は律子さんに頼まれていた買い物を届ける途中だったんだよね。

だからきっと事故のことも連絡したんだな。


「もぉ、アンタがついていながら何やってんのよ!」


律子さんは蓮君の背中をバシバシと叩く。


「いてっ」


「日向ちゃんに怪我でもさせちゃったら大変でしょ」


ジロリと蓮君を睨む律子さん。


「りっ……律子さん。あのっ……蓮君は悪くないっていうか、むしろあたしをかばってくれて……」


「そうだよ。オレだって怪我人だっつの」


「何よっ! あたしに口ごたえするっていうの?」


律子さんは文句を言う蓮君をまたビシビシと叩く。