「ひなた―――！」


バタンっとドアの開く音とともに、病室に絶叫が響き渡った。


あたしと蓮君は慌てて体を離す。


蓮君は「なんでいつもこうなるんだよ……」とかブツブツ言ってガックリ肩を落としている。


バタバタと慌しく部屋の中に入ってきたのは、美雨ちゃんと幸樹さんだった。


美雨ちゃんは、ここに来る前に既に泣きはらしていたんだろう。

目が真っ赤に充血していた。


「日向、大丈夫だったの？　怪我はないの？」


どうやらあたしが事故に遭ったということを蓮君から電話で聞いて駆けつけてきたらしい。

側で幸樹さんも心配そうにしている。


「ひぐっ……もぉ……日向に何かあったらっ……ぐすっ……どうしよ…かと思ったよぉ……」


美雨ちゃんは子供みたいにポロポロと涙を流して泣き始めた。


「ごめんね。心配かけて……」