その瞬間また涙が溢れてきた。


――8月20日


ライブの日付……それはあたしの誕生日だった。


これってハチの言う通り偶然じゃないの?

蓮君はあたしの誕生日に合わせてチケットを取ってくれたの?


あの日、美雨ちゃんの誕生日を訊いてきた時。


『あたしの誕生日も聞きなさいよ』って、いじけたあたしに、蓮君はこう言った。


――『お前の誕生日は、聞かなくていーの』


あれは……

あたしの誕生日は聞かなくても覚えていてくれてたってこと?



「日向も、もうわかってんだろ?」


ハチはいつもの表情に戻ってあたしの目をじっと見つめる。


「そんなの偶然じゃねーよ。日向の誕生日にわざわざ合わせてくるなんて……そういうことだろ? その意味わかるよな?」