それはヤマジシンイチのライブのチケットだった。
『ライブ、一緒に行くか?』
蓮君の部屋でヤマジシンイチのアルバムを見つけた時、蓮君は確かにそう言った。
あんなの蓮君にしたらその場の社交辞令みたいなもんだとばかり思っていた。
あんな小さな約束。
ちゃんと覚えていてくれたんだ……。
蓮君……。
「グスッ……」
あたしは鼻をすすってチケットをギュと握り締めた。
「あいつ、マジむかつくんだけど……」
ハチはまだブツブツ呟いている。
「その日付、偶然じゃねぇだろ?」
「え……日付?」
「ライブの日付だよ」
あたしはもう一度チケットに視線を落とした。
『ライブ、一緒に行くか?』
蓮君の部屋でヤマジシンイチのアルバムを見つけた時、蓮君は確かにそう言った。
あんなの蓮君にしたらその場の社交辞令みたいなもんだとばかり思っていた。
あんな小さな約束。
ちゃんと覚えていてくれたんだ……。
蓮君……。
「グスッ……」
あたしは鼻をすすってチケットをギュと握り締めた。
「あいつ、マジむかつくんだけど……」
ハチはまだブツブツ呟いている。
「その日付、偶然じゃねぇだろ?」
「え……日付?」
「ライブの日付だよ」
あたしはもう一度チケットに視線を落とした。