アタシの顔のすぐ上にハチの顔がある。

あたしはカーペットに押し倒されていた。


ハチはあたしの両手首を床に押し付けて、あたしの自由を奪う。

それはすごい力で、あたしの力では到底振りほどけそうもなかった。


「や……やだ。ハチ? ……なんで?」


あたしはハチを見上げて問いかける。

ハチが今から何をしようとしているのか想像するのも怖い。

だけど聞かずにはいられなかった。



「……何もしないんじゃなかったの?」


声が震える。

もう目の淵に涙が溜まりかけてた。


「親がいる……とは言ったけど、何もしないとは言ってねぇもん」


そう言ってフッと笑みをこぼすと、ハチはあたしの首筋に唇を這わす。