――『あなただけを見つめている』



あたしが向日葵なら、蓮君はきっと太陽だ。

眩しくて……手が届かない存在。

だけど、彼から目が離せない。

たとえあたしの存在に気づいてくれなくても、あたしに手を伸ばしてくれることがなくても……あたしは自然と蓮君ばかりを追ってしまう。


綾乃と大輔君の言葉を思い出す。


――後悔したくない


蓮君のことを困らせたいわけじゃない。

悩ませたいわけでもない。


ただ、あたしが好きだってこと……蓮君に伝えたい。




あたしは側に置いてあった携帯を手に取る。



そして、“彼”へ電話をかけた。