ガックリとうなだれる大輔君にあたしは言葉が見つからなかった。


――どうしよう。

あたしが無責任に煽ったりしたから……大輔君、傷ついちゃったんだ。

あたしのせいだよね。


「あのっ……ごめんなさいっ。あたし……なんか無責任なこと言っちゃって……」


「へ? いや、なんでヒナちゃんが謝るの?」


大輔君は慌てて顔を上げる。


「だって……あたしのせいで、結局大輔君……傷つくことになってしまって……」


「ああっ。違う違うっ」


ブンブンと首を横に振る大輔君。


「まぁ……確かに落ちたけどさ。でも、これで良かったって思ってるんだ」


「え? ……良かった?」


「ああ。あいつ、もう新しい男できてた」


「そんな……」


「考えてみりゃ当たり前だよなぁ……。もう別れてから1年も経つんだぜ? いつまでも引きずってんのはオレだけだったってわけ」


大輔君はハハハ……と小さく笑う。

明るく話しているけど、本当はかなりショックだったんじゃないかな。

――ごめんなさい。

アタシの良心はズキズキと痛む。


なのに……。

大輔君は驚くぐらい明るい声で言葉を続けた。