綾乃は直球で先生にぶつかった。

もう後戻りはできない覚悟だった。


「大事な生徒だよ。それ以上でもそれ以下でもない」


「マニュアル通り……だね」


「うん。マニュアルに書いてあんの。女生徒から告白された場合の対処法」


先生のからかうような言葉に綾乃の涙腺は一気に緩んだ。


「ふっ…ざけないでよぉ……ヒィック……」


先生は泣きじゃくる綾乃の頭にポンっと手を乗せた。


「じゃ、真剣な話な……」


それから先生はポツリポツリと真実を告げてくれた。

小柳先生と付き合っていること。

結婚も考えていて、この夏には正式に婚約すること。