あたし達は駅前のマックをはじめ、綾乃の立ち寄りそうな店をあちこち探してみた。

だけど、結局綾乃の姿はどこにもなかった。


「……どうしよう」


あたしは蓮君に手を引かれながら駅前の大通りの歩道を歩いていた。


綾乃が今どんな気持ちで一人でいるのかと考えると、またギュッと胸が苦しくなる。


「他に行きそうな場所は?」


蓮君が振り返って尋ねる。


「うん。えーと……」


あたしは考えながら視線を動かした。

そして、その視線はある一点で止まった。


「……いた」