――――――――
―――――……


小説……また書かせてもらっていいですか?

今、皆さんに聞いてもらいたいことがたくさんあります。

私の中に生まれたこの気持ち。

恋をして初めて知ったこと。

そういうの、書いてみたいんです。

今まで書いていたものとは、少し内容が変わってしまうかもしれません。

それでも……もしも良かったらまた、私の小説を読みにきてください。



掲示板にいただいた、温かいメッセージ、全て読ませてもらいました。


ほんとうにありがとうございました。


ヒマワリ


――――――――
―――――……






しつこいぐらいに何度も何度も読み返した。

送信ボタン……ここをクリックすれば、あたしのメッセージは回線を通じてみんなに届く。

あたしは震える手でマウスをそこにあてる。



――カチッ


あたしの想い……どうか読者のみんなに届きますように。




――チリリン……


うそっ……。

あたしは驚いて、その音の方へ視線を動かした。

さっきまで風が吹く気配なんてまるでなかったのに……。


今はやわらかな風が、風鈴の短冊を揺らしていた。



チリン……チリリン……

くるくると廻る短冊を眺めていると……


――よく頑張ったな。

そう、蓮君が言ってくれたような気がした。


あたしは窓辺に近づいて、まだ鳴り止まない風鈴を見上げながら、蓮君のことを考えていた。


その時ふいに風に乗って、聞き慣れた声が耳に届いた。


「よお……」


驚いて下を覗くと、そこには少しはにかんだ笑顔の蓮君がいた。