「ああ。誤解しちゃってんじゃないかって思って」


「誤解?」


「そ。あたしと蓮哉の関係について。蓮哉、ちゃんと説明してくれた?」


あたしは両手でスカートをギュッと握って首を横に振った。


「『お前は知らなくていい』……って」


「はぁ……やっぱりねぇ」


彼女は小さくため息をついた。


「んとに……。そんなことだろうと思った」


「あの……?」


「ああ……」


さっきからハテナマークが頭に浮かんでばかりのあたしの表情に何かを感じたのか、彼女は手にしていたカメラをあたしに見せた。


「これよ」


「え?」


「あたし写真やってんの。もちろんアマチュアだけどね」



それはわかる。

さっきから水鳥を真剣に撮影している姿を見ていたから。




「蓮哉はあたし専属のモデルなの」


「はぁ……そうなんですか。……て、え?」




もっ……モデルぅ?