「う……うん」
蓮君のものを持っていることがうしろめたくて、なんだか悪いことしてるみたいな気分になる。
「これ新しいヤツだよね? 蓮君もヤマジシンイチ好きなんだって」
ふいに蓮君の名前が出てきたことに、ドキンと心臓が跳ねる。
――知ってるよ……。
でも一度隠しちゃったから、誤魔化さなきゃ。
「そっ……そうなんだっ。知らなかったなぁ……」
ああ……ウソついちゃった。
ヤバイ……。
一度ウソをついてしまうともう、つき通すしかなくて……。
本来なら、美雨ちゃんに返してもらえばそれで済む話なのに、今更ホントのことが言い出せなくなってしまった。
そんなあたしの小さなウソに気付くはずもなく、美雨ちゃんは手にしたCDを眺めながらポツリと呟いた。
「蓮君てさ……優しいよね」
うん。
それも知ってる……。
なのに天邪鬼なあたしは
「え? そ……かなぁ? けっこう意地悪じゃない?」
また心にもない返事をしてしまう。
美雨ちゃんの口から蓮君の名前を聞くたびに、胸が軋む。
聞きたくないと思えば思うほど素直じゃない返事ばかりしてしまう。
その後も美雨ちゃんはまるでのろけ話のように蓮君を褒めてばかりいたけど、あたしは曖昧に返事を返すことしかできなかった。
蓮君のものを持っていることがうしろめたくて、なんだか悪いことしてるみたいな気分になる。
「これ新しいヤツだよね? 蓮君もヤマジシンイチ好きなんだって」
ふいに蓮君の名前が出てきたことに、ドキンと心臓が跳ねる。
――知ってるよ……。
でも一度隠しちゃったから、誤魔化さなきゃ。
「そっ……そうなんだっ。知らなかったなぁ……」
ああ……ウソついちゃった。
ヤバイ……。
一度ウソをついてしまうともう、つき通すしかなくて……。
本来なら、美雨ちゃんに返してもらえばそれで済む話なのに、今更ホントのことが言い出せなくなってしまった。
そんなあたしの小さなウソに気付くはずもなく、美雨ちゃんは手にしたCDを眺めながらポツリと呟いた。
「蓮君てさ……優しいよね」
うん。
それも知ってる……。
なのに天邪鬼なあたしは
「え? そ……かなぁ? けっこう意地悪じゃない?」
また心にもない返事をしてしまう。
美雨ちゃんの口から蓮君の名前を聞くたびに、胸が軋む。
聞きたくないと思えば思うほど素直じゃない返事ばかりしてしまう。
その後も美雨ちゃんはまるでのろけ話のように蓮君を褒めてばかりいたけど、あたしは曖昧に返事を返すことしかできなかった。