――って、いくら考えても何もわからないわけでっ!


あたしは、傍にあった鞄を手繰り寄せ、スクッと立ち上がった。


「日向?」


「か……帰りまス。おっお邪魔しまシタ」


口から出たセリフは、まるで外人がしゃべってる中途半端な日本語みたいにたどたどしかった。


あたしはそのまま蓮君に背を向けて、逃げるように部屋を出た。



蓮君の部屋を出てからもひたすら走った。


心臓はバクバク音を立てているけど、これは走っているせいなのか、それとも別な理由があるのか、自分では区別ができないほどだった。


どうしよ……。

あたしってば、なんてことしちゃったの?


もう、蓮君に合わす顔がないよぉ。

自分からキスしちゃうなんて……

あたしの気持ち、蓮君にバレちゃったかも……。




どうしよぉおおおおお。