「とにかくだ!」
少し酔いが回り始めた高橋さんはジョッキをテーブルに荒々しく置く。
「この国を変えるには恐らく我々が立ち上がり、戦うしかないんだろう。だが後一人、同じ夢のお告げを見ている仲間がいる。その一人を見つけだして、話はそれからだ!」
高橋さんは赤ら顔で話をまとめた。
「そうっすね!とにかく後一人、見つけましょう!」
石川くんもそれに乗じる。
「じゃあ見つかり次第、またこの密会を開きましょう。一応言っておくけど、このことは他言は無用で」
宮川さんは二人を交互に睨み付けながら人差し指を口にあてる。
「もちろんさ。大丈夫!」
石川くんは血気盛ん。
「ああ、内密にな」
高橋さんはただの酔ったおっさんだ。
こうしてこの日は各自解散したのだった。