私は、自然と今井君を見つめていた。

今井君は、私達と同じ高3。
同じ地区の共学に通ってて友達とバンドを組んでるらしい。

しゃべり方は独特で、すぐに誰とでも友達になるような気さくな感じの人。

それって共学だからなのか?はたまた、仁徳なのかな~!?

中学から女子ばかりの(いわゆる)お嬢様校に通う私とは・・・やっぱり違う。

そんなことを考えていると、今井君と目が合った。
 
 ドキッ

胸の真ん中らへんが痛かった。

だって突然今井君の大きな瞳が私を見ているんだもん。

でも、それと同時に顔が熱くなるのを自分でも感じてた。

今井君は、私の顔を見てゲラゲラと大笑いした。


私は、それが恥ずかしくて両手で、ますます赤くなる頬を隠すように押さえた。

「変なワンコ!!」

今井君は、そういい残し私から目を逸らした。

もう~
なんで、もっとまともな顔が出来なかったんだろう。

自分でも自分があきれていた私。

今井君は、何事もなかったようにまた明日香達と話し出した。

「で、さっきの話の続きだけど!!明日香ネーの学校でフリーの子居ない!?今、俺マジで独り身で・・・。」

わざとらしく肩を落としたそぶりを今井君はした。

え~そんな話を今してたの?
私、今井君の顔ばかり見ていたのか?!そんな事、耳に入ってなかった。

「イヤよ!!お調子者で軽いアンタなんか紹介したら私の人格疑われてしまうわ。ねえ!カンナ!!」

明日香が私に同意を求めてきた。

が、私は、思わず『ウン』と言いそうになった。

でも、勇気を振り絞って答えた。

「そんな事ないんじゃないのかな・・・・」

店にいた子の目が私に集中した。

また赤くなりそうな顔。

「じゃ~ワンコにこのことは、お願いしちゃおうかな~。」

今井君は、そう言い私に何かを差し出した。

私は、差し出された物に戸惑う。