「せっかくユーミが兄貴を見たいっていうから連れて来たのに…」

ぶつぶつ言うそのみだが、意味不明。

「はぁ?何で…」

「高校では人気あったんでしょ?噂が膨らんじゃってて」

呆れたような顔で言うそのみの隣で、ユーミちゃんもニッコリ笑う。

「先輩は、もはや伝説です。妹ってことで、そのみのことまで見に来るぐらい」


…それは…何というか。


「ああ…光栄?」

「あたしは迷惑だけどねっ!」

間髪入れずに、そのみがそう言って頬を膨らます。

どうやら色々被害を受けているらしく、まあ少しは責任を感じたり…感じなかったり。

「自慢できる兄貴がいて良かったじゃ〜ん?」

ねぇ?といった感じで、隣のユーミちゃんを見ると、

「ホント、羨ましいです!」

ユーミちゃんは異常に素直な反応を見せていて。


…いや〜。マジでいい子だわ。


オレは感心半分、その素直さに呆れ半分。

「ま、残念だけど、そのみの言う通り、オレはそんなに完璧じゃなくて、ただのオトコだから」

言うと、そのみがかぶせるように、