――あたしの友達に手を出したら、承知しないからね!


の、厳しい視線だ。


…まぁ…はっきり言って、妹の友達に手を出した前科はある。

とはいえ、オレから誘ったことはないんだけどなぁ。


どうせそのみには、そんなことを言っても、ただの言い訳と思われるだろうけどね。

ま、とにかく。

今回のユーミちゃんに関しては。

可愛いとは思うけど、はっきり言って付き合いたいタイプじゃないから、その心配はなし!

だって、こんだけスレてない子は珍しいと思うよ?


――という意味を込めて、オレがニコニコしながら頷くと。

そのみは、やっとホッとしたように視線を緩めてくれた。

「じゃ、兄貴も見たことだし、あたしの部屋に行こっか♪」

軽く言って、サッサとユーミちゃんの背中を押して、ドアに向かって歩き出す。

「なんだよ、そりゃ…」


…オレは動物園のパンダかい?


ため息混じりに見送るオレに、

「お邪魔しました…」

軽く頭を下げるユーミちゃんは、やっぱり癒し系キャラ。


…う〜ん…

何かに似てるんだよな…


見ていると、妙に懐かしい気持ちになるのはなんでだろう。