いつの間にか、『カレン』って名前を覚えてて、何となく、毎日考えてる俺がいて、
廊下や食堂でカレンを見かけると、なぜか胸が騒ぎ出す。
それが恋だったんだと気付いたのは、本当に遅かったんだけど。
きっと、ずっと恋してた。
だから、余計に卒業したくなかったんだと思う。
「先輩、もうすぐだね」
10人以上の行列に並んだ俺と可憐は、ポップコーンの甘い香りに包まれていた。
「そんなにうまいのかな。ポップコーン食べたら、次は俺、可憐を食おうっと」
可憐は、俺の背中をポコポコと叩いて、嬉しそうな笑顔を見せる。
真剣に女の子と付き合うことに慣れていない俺は、なかなか可憐の喜ぶ言葉を言えない。
好きだとか、愛してるとか・・・
言ってみたいけど、なかなか言えない。
でも、可憐は・・・いつも幸せそうな顔をしてる。
だから、まぁいっか。