卒業って・・・こんなに辛いものだと思っていなかった。
どうしようもなく心の中が寂しくて、
卒業したことを信じられずに
とにかく騒いでいた。
胴上げをした。
泣きそうだった。
『先輩!!』
突然教室の窓から聞こえた声。
俺に向かって走って来た女の子は、いつしか俺の心に住み着いた女の子。
ほとんど知らないのに、なぜか気になる存在。
卒業した後、もうあの子に会えなくなるのか・・・なんて時々考えたりもした。
自分から行動しようとは思っていなかったけど。
その気持ちが『好き』だという気持ちなんだと自分で実感できるほど、彼女のことを知らなかったから。
正直・・・嬉しかった。
『先輩…思い出に第2ボタンくれませんか!!』なんてさ。
真っ赤な顔して、俺に言うんだもんな。