「また負けちゃった」
「お前、隙ありすぎ!」
先輩は、こうしてこっそりと私の唇を奪うのが得意。
ちょっとした信号待ちや、話している隙にも・・・
キスをくれる。
そんな一枚上手な先輩は私の彼氏になった。
でも、まだあの頃のように先輩に憧れていて、先輩が友達と楽しそうに話している時、ふと片思いの頃のように、先輩を見つめてしまう。
『私を見て・・・』 『私に気付いて』
そう思いながら想い続けたあの日々。
先輩のいない高校は、ちょっぴり静かです。
先生達も怒る相手がいなくなって、寂しそうです。
先輩が落書きした『サラバ 俺の青春!』の文字は、消されずに廊下の壁に残っています。