『5 4 3 2 1・・・』
うわぁ!!!
真っ白な光に包まれたツリーが、あまりにも眩しくて、美しくて・・・
私は今、自分が置かれている状況を忘れてしまいそうだった。
隣にいない先輩。
さっきまでここにいて、私にキスをしてくれた先輩が今はいない。
もう体だけじゃなく、心も遠いよ・・・
先輩は、ツリーの点灯を一緒に見ようと言った。
私は、それを楽しみにしていた。
先輩と1分だって離れたくない。
せっかくのデートなのに、どうして私は1人で泣いているんだろう。
泣いても泣いても、誰も気付かない。
みんな笑顔で、ツリーを見上げてるから・・・
うつむいた私の顔なんて、誰も見ない。