ラブラブな時間を邪魔する先輩の携帯。



「また・・・」




つい口から出てしまう。




高校時代から先輩は人気者で友達が多い。




あの頃、先輩と一緒にいつも遊んでいた仲間の先輩は、今でも先輩の親友で、嫉妬しちゃうくらい絆が深い。




「ごめん・・・ちょっと電話」



先輩は、本当に優しくて、誠実で、結構マメで・・・


最高の彼氏なんだけど、一番の悩みがコレ。



「あいつら今、ディズニーランドの前にいるらしい。ちょっと待ってて」





返事をする間もないくらい、あっと言う間に先輩は消えていく。




どんどん遠くなる赤いパーカー。