暇なんだな、あいつらは。
ちょっとだけでいいからどうしても来てくれ、なんて。
ツリーが点灯するまでには戻ろう。
点灯の瞬間にキスをしたいと、俺は密かに思っていた。
驚く可憐の顔を想像すると、わくわくする。
だから、俺は全速力で走った。
大事な彼女と、大事な友達
どちらも大事で
どちらも一生失いたくない。
カップル達の間をすり抜け、入場門へ向かう俺は
残された可憐の気持ちなんて
考えていなかった。
こんな華やかな場所で
一人ぼっちにされてしまった可憐の寂しさを・・・
俺はわかっていなかった。
~先輩目線END~