雪が舞い降りてくるんじゃないかと思う程、寒いクリスマスイブの夜。
吐く息の白さに驚きながらも、はしゃぎすぎて、寒さも忘れていた。
「待ってよ、先輩!!」
「可憐、早く来いって!」
先輩の卒業式に告白してから半年が過ぎ、すっかりカップルらしくなった私と先輩。
長い長い片思いの後に待っていたのは、信じられないくらい大きな幸せだった。
先輩をただ一方的に見えていたと思っていた。
でも、先輩も私を見てくれていた。
あの卒業式の日、勇気を出して本当に良かった。
勇気を出して叫んだ『先輩!』
先輩だけを想って走った廊下・・・
最後になるはずだったあの日が、私と先輩の始まりになった。