『詩音!』

「―っ」


・・・恋なんて。空くんに恋なんてしてるわけない。
私の頭の中でこうやって名前を呼び続けている人が居る限り・・・。


「詩音さん?」


「はっはい!?」


飛びかけていた意識は空くんの声によって元に戻された。


「今日も曲、聴いてくれるの?」


「えっ・・・」


今日も、聴いていいの?
―!私、聴きたいの?
・・・違う。


「もちろん!」


何でか分かんないけど、側にいたいんだっ・・・。
ドサッ・・・。

私は昨日の様に空くんの隣に座り、ギターの音色に身を委ねた・・・。