「―・・・。」


どうして?
私の事何とも思ってないのにそんな表情するの?
ますます好きになっちゃうじゃないっ。


その時。


〜♪〜♪〜♪〜♪〜


甘いイントロが私のカバンから漏れた。


「健・・・太」


どうしよう。
約束の時間になっても私が来ないからだっ!


「―っ」


私の全神経が右手に集中する。


―出る?
―出ない?

どうしよう!


「―・・・やっぱり出ないとね」


私はそう呟き携帯に右手を伸ばした。


―パシッ!!


・・・え?
何、で?


私の右手を掴む空くん。


「どう・・・して?」


空くんが鋭い瞳で私を見つめる。


「―っ」


乱れる心音。吐息。
そして、


「彼氏の電話なんて出ないで」


溢れる、気持ち・・・。