「健太くんかなぁ?」


「ちっ違うわよ!」


そう言ってプイッと私はミユから目をそらした。
そして、靴を下駄箱に置こうとしたその時。


「詩音っ♪」


「きゃっ!?」


私に抱き着いてきた人物。
この声は・・・


「健太。オハヨ・・・」


私達に気を使ってミユはさっさと教室に向かった。

「どうしたの?朝からテンション高いじゃんっ」


「んー?詩音に嬉しいお知らせがあるからなっ!」


そう言いながら健太は私の髪を指で掬った。


「今日、放課後俺ん家来いよ」


「・・・・え」


「久しぶりに部屋デートしようぜ!じゃあなっ」


それだけ言うと健太はアクセサリーをジャラジャラさせながらその場から走り去っていった。