でもね…

だんだん…わたしは…
動けなくなってしまったの
森のみんなはわたしが
年をとったからだって
そう言ったの


そしてある日…

ついにわたしは
全然動けなくなったの

そうしたらお空から

ううん、違う

お月さまがいる
宇宙よりもっと遠くから
わたしを呼ぶ声がするの

わたしはちがう場所へ
行かないといけないって


わたしはお月さまと
お別れしたくなかったから

何度もいやだって言ったの

でもね…

生き物はみんな
地球にいられる長さが
決まってるんだって…

だからいやでも
お別れしなきゃいけない

そう言われたの

いっぱい悩んだよ…
そして
本当に…本当に
悲しかったけど
辛かったけど

わたしは…

お月さまと
お別れすることに決めたの


でも…お月さま
寂しくないかなぁ

わたしのこと
忘れちゃわないかなぁ

わたしは
お別れの言葉を
言う間もなく

遠い遠い世界へ
旅立ちました