「俺はサクラの制服姿、好きなんだけどな……」


ゆっくり隣に腰かけて、制服のリボンに手をかける和人。なんかドキドキする。


「制服……好きなの?」

「そんなひいた目で見なくてもいいじゃん」


だって……だって。


「あんまり化粧濃い子とか派手な子好きじゃないんだよね」


私が少しでも大人っぽく見えるように、メイク頑張ったり背伸びした格好したら、あんまりいい顔しないもんね。


「じゃあ、今日の私は和人の中でベスト?」

「うん。ナチュラルなサクラは、すごくかわいい」


今日は嬉しい言葉ばっかりだな。私、幸せだ。


「嬉しい! 今日は制服のままでいる」


単純でしょ? さっきまで、あんなにコンプレックスを抱いていた制服だったのに。和人の一言で大好きになる。


和人は着飾らない、素の私を好きでいてくれてる。嬉しいよ。