「……なんで私だって分かったんですか?」


「サクラに見られたらやばそうな文面ばっかりだし、イブの日に急に接待取り付けてきたのも木下さんだったから確信した」



イブの夕方は冷たい風が吹いて、キラキラに光るイルミネーションだけが温かく見えた。



「メールもすべて残してるし。これ以上何かするなら出るとこ出るから」


「和人! そこまでしなくていいよ」



もう……いい。


木下さんのしたことは許せないけど……今にも泣き出しそうな彼女を見ていたら少しだけ同情してしまった。




「仕事さえ出来るようになれば上田さんは私のこと見てくれると思ったんです。だけど仕事以外は本当に話してもらえないし……」



わ……本当に今でも木下さんと話してなかったんだ。あえて話題にも出さなかったことだから驚いた。



「彼女と喧嘩して別れたら私にもチャンスがあると思って……サブアドでメールを送信してました。ごめんなさい……」



和人は大きくため息をついて私の頭に手をのせた。