「おはようのキス……」



胸元のトレーナーをグイッと掴んで和人を見上げると、クスッと笑って優しく唇にキスをくれた。



「起きる?」


「ううん。まだ寝る」


「おはようのキスの意味ないし。ていうか寝起きは俺だからサクラがするもんじゃないの?」


「ははっ♪ そっか!」



外は寒いけど穏やかで温かな空気に包まれて二人の笑い声だけがするこの部屋の中で



いきなり鳴り響いた携帯。



「和人の携帯だよ」


「あー……着信音で分かる。メールだから後でいい」



そう言ってメールはシカト。まだそれなら気にしなかったけど電源をオフにしてパチンと携帯を閉じた。



「寝よ?」


「……うん」



なんか私に隠してる?体は温かいのに、幸せな居場所にいるのに



和人の行動が気になって眠れなかった。