初めて逢ったのは同じ職場に彼が入社した時。物静かそうな見た目とは違って、先に話し掛けてくれたのは彼だった。
「実年齢より若く見えますね」3つ下の男のコにからかわれた気がしてなんだか恥ずかしかった。
いつも色んな質問をしてくる彼に答えるしか出来なかった。
「好きなアーティストは?」「趣味は?」「彼氏はいるの?」
仲良くなった私達は、たまたま同じアーティストを好きだった私達は車の中でその曲をよく聞いた。
「この曲好き」とか「これテンション上がるんだよね」とかたわいない大事な話。

それから何度か逢ってドライブしたり、メールしたり、電話や、食事に行ったり…
もっとあの時間を大切にしとけば良かった。
もっとあの時間相手を思いあってれば良かった。
でもあの時の私にはきっとそんな余裕もなかった。
彼を傷つけている事しか出来なかった。
私が電話口で泣けばすぐ走って来てくれて、気晴らしにドライブや何気ない言葉かけてくれたりしたのに。
私の事を大事にしてくれてるのが手に取る様に分かってたのに…
それでも私には余裕が無かった。一つも。今思えばよくこんなわがままでどうしようもない私を一生懸命になって励ましてくれたなって思うよ。
あなたは今何してるかな?
そんな事あ