曇ってゆくあたしの顔に、壱貴は不満そうな表情を見せた。

そりゃあ、あたしが普通だったら心底喜んでいただろう。
でも、生憎あたしは野放しに喜べない。

野放しに喜べない悲しさを感じながら、自分の性格を恨んだ。


「嬉しくないの?」

「嬉しくない事は無いよ。ただ、あたしは今の生活を変えるつもりは無いの。まだ、学生の身分だし両親から一人立ちしていない。」

「デビューしたいとか思わないの?」

「それは、凄いと思うよ。簡単に出来ることでは無いと思うし。」

「プロになれば、自然に一人立ち出来るってぇ。」

うん、脈絡無し。