大分、夜も更けていた。 あと二三時間で陽が昇ろうとしていた。 そろそろ帰らないといけないと思い出す。 立ち上がって顔をあげると、苦虫を潰した様な顔をした壱貴が立っていた。 本当に驚いた。 だって、壱貴は最近忙しそうで授業すら無くなって仕舞うことも度々あった。 況してや、ライブなんて。 来れる訳が無い。 あたしは何も出来ないままただ壱貴と視線を絡ませていた。