はあ?って顔を壱貴だけじゃなくて担任にもされた。
仕方無いから説明を付け加えた。
「あたしは人に知られたくない過去がある。だからあたしはあたし自身の話をしないの。」
それを聞いた壱貴は肩をすくめて、分かるよ、だからこれ以上聞かないって言いたそうな顔をした。
引き下がりそうにない担任。
仕方無いから、担任に一言、言おうと思った。
ほんとは顔も見たくないんだけど。
そしたら、壱貴が口を開いた。
驚いたことにあたしに向かってじゃ無くて担任に向かって。
「彼女は嫌がってるんですから今日はお引き取り願えますか?」
「私はこいつの担任だ。だから引き下がる必要なんて無いんだ。お前こそ部外者だろう?口を挟まんでくれ。」
カチン、て来た。
ここはあたしと壱貴だけの空間なのに、汚しているのはヤツなのに、部外者はお前なのに。
「部外者は先生です。あたしには話すことなんて何一つありません。」