「あんたに関係無い。」
そう言って冷たく突き放したあたしに、相手は怒りの色を少しちらつかせた。
「誰なの?」
知らないから聞いて当たり前だ。
壱貴が知るはずない。
だって、あたしの担任だなんて。
壱貴の言葉をシカトして黙るあたしに近付きながらヤツは訊ねてきた。
「いつまで逃げるつもりだ?ご両親も大変心配していらっしゃったぞ。本当に、こんな時間になにやってるんだ?」
「…―――関係無い。」
何も説明しないあたしにヤツは少し苛ついた様子を見せた。
横には困り果てた壱貴がいる。
こんなヤツより壱貴のがよっぽど大切だ、ってあたしの思考回路は判断したから、壱貴と向き合う体勢を取った。