壱貴が帰った後、ギターを片付けそそくさと家に帰った。
帰ってすぐにユウちゃんに怒られたのは言うまでもない。
「本当に最近、どうなされたのですか?ご主人様も大変心配なされているのですよ?」
「そんなはず無いから。ただ毎日疲れて調子狂って治らないだけ。」
「ならお医者様に診ていただいたほうがよ…」
あたしはユウちゃんの言葉を遮って、溜め息を短く吐く。
「大丈夫だよ。もうちょっとしたらまた戻るから。あたしの一生に一度の我が儘だと思って訊いて?」
少し上目遣いになって頼むと、仕方無い、とでも言うかの様に苦笑いして眠りに就こうとするあたしを見た。