部屋から出てきた私の中では何かが可笑しかった。
あの瞬間、ぽきって空耳みたいなのが聞こえた気がした。

あたしは部屋に入った痕跡を消して、って言っても鍵もかかってなかったから特に何もしなかったけど、私の部屋に戻った。

何だか妙に納得してしまった。淋しさの理由を知ってしまったから。

頬を暖かい何かが伝わった気がした。
一度流れてしまった涙は、渇き切るまで止まらなかった。