「昨日、母さんに話していたのはこの事だよね?もう既に承諾されてるんでしょう?」

「ご名答。」

やっぱり。
そうじゃ無い筈がないもの。


ハコの中では、洋楽が流されていて。
程好い温度で。
心地好かった。


「あ、俺の事どのぐらい知ってる?」

「名前と父親が誰か。あと、意外と腹黒いこと。其れぐらいだと思う。」

ちょっとショック受けた顔で「腹黒いって……」と呟きながら項垂れてた。
でも、次に顔を挙げた時には真剣な眼差しに入れ換わってた。


「じゃあ不公平だ。」

何が?と思って尋ねようとして答えは訊く前にもらった。

「俺は親父に貰った資料である程度貴女の事を知らされている。だから同等の事を知ってもらわなくっちゃ。」


そう言ってその人は自身の事を話し出した。

ホントはただ自分の事知って欲しかっただけじゃ無いの?と思った事は内緒にしておいて。