●吉田ひなこ●

佐々木から電話があった。

友達の相談事聞いてる最中に、母親が倒れ入院したって……。

突然だけど、しばらくは仕事を休むって……。

佐々木君、大丈夫なのかしら?

母一人子一人で生きてきたって…まるで私と似た者同士ね。

だから…あなたの痛み…手に取るようにわかるわ。

俺から連絡するまで待っていてくれって…電話は切れた。


次の日から、佐々木のいない仕事場で、私は生きる屍のように働いた。

やる気も何も全て失せ、無気力、無感動…何も面白くない…仕事が終わったら、真っ直ぐ家に帰宅。

ただひたすらに、連絡するからと言った佐々木の着信音、もしくはメール受信音を待った。

それから3日後、仕事中にメールがきた。

「ひなこ元気か?こっちは、お袋に付きっきりで大変だったよ。どうにか少し落ち着いたから、今夜、飯でもいく?」

「佐々木君、メールありがとう~心配したわ。了解!今日OKよ~」

看病の為ずっと病院生活…コンビニの弁当浸けで、ろくな物食べてなかったよ…と佐々木のセリフ。

母を思う優しいあなたの気持ちに乾杯、今日は何でも好きな物、好きなだけ食べて…。