俺の作る飯を食べたいと思う客だけで…俺は充分満足だったし、十二分にも商売は成り立った。
それに…今のこの場所に来たいが為に…涙酒…毒酒を飲みホスト稼業続けてきたなんて…誰も知るまい。
新しいリピーターは日毎に増え始め、売上は伸びていった。
が、これは…吉田ひなこ抜きではもう考えられない。
気が付けば、いつも俺の横にいた。
二人三脚の毎日が過ぎていく。
来月は…彼女の誕生日…開店してから半年…店は休みなしでやってきた。
ちょうどいいや、その日…休業しよう。
そして、彼女を誘おう。
菜々子、許してくれないか?
その時、俺は……吉田ひなこに言いたい事があるんだ。
「吉田さん…吉田さんさえ良ければ……ずっと永久に…店に…子供と…俺の側にいてくれないか……」