「じゃ、私帰るけど…店長大丈夫よね」
心配そうに、野田が言う。
「大丈夫よ、野田さん色々ありがとう。本当に感謝しているわ」
「佐々木の行方は、直也に色々聞いて貰ってるから、何か手がかり掴めたら、直ぐに連絡するわね」
「……もう、いいの。いいのよ、野田さん、もうあんな男の顔も見たくないわ、私……」
「そぅ…でもこのままではダメよ、許せないわ」
「それよりね…暫くして落ち着いたら、私、何か仕事見つけなきゃ、働かないと食べていけないし…こんな私でもいい所あれば、心かけといてほしいの」
「わかったわ。店長、元気出して下さいよ。人生まだまだこれから、たまたま、この世で一番悪い男に出会った、事故にでもあったと思って……いい男は、優しい男はこの世に一杯いるから、だから、変な事考えちゃダメよ。何かあったら私、いつでも飛んで来るから、ねっ、仕事も探してみるわね、わかった!」
「野田さん……」
気が付いたら、私は野田に全てを話していた。
恥も外聞も全て捨て…この人にありのままを聞いて貰った。
母と父と佐々木の次に……心を許せた人……。