で、どんな関係だったの?
私は無言で、目で問う。
「付き合ってたわ。ホスト当時からの、私はお客だったから…飲み食いは全て私持ち、金は貸せ貸せってうるさいし、今から考えれば、いいカモ状態…でも私だけじゃなくて、他にもカモはゴロゴロいたみたいよ。仕事がないって言うから、店にいれたら、早速、店長に目を付けて…私の二の舞にならなきゃいいけどなぁ~て、内心心配してたのよ。でも、どうやら私の予感的中? ……みたいね。何なら話聞くわよ」
私はノックアウト…目の前の野田がはっきり見えない。
微かに人らしき輪郭が霞んで見えるだけ……。
野田はまだ…話し続けてるみたい、でも何を言ってるのか内容もわからない。
今までの思い出が……色々浮かんできた。
初めて佐々木に出会った日…胸が苦しかった。
その苦しさが、恋の感情だと知った。
私の目が綺麗だって…私から眼鏡取り上げ…私の世界を変えた男。
生まれて初めてのデート…あのドキドキ感は、今でもドキドキする。
男の唇が初めて重なった…口内に来た佐々木の舌先を…どう扱っていいのかわからなかったあの日……。