どうしよう…このまま連絡なかったら…何とかして、事実を伝えなくては、会わなくては………。
家に行く?
その時、一瞬にして血の気が引いた。
大体の住所は聞いていたけど…ハッキリした事は知らなかった。
そぅ、私は佐々木の家に行った事がない。
住所も嘘だとしたら、何の手がかりも無くなってしまう。
二人を繋いでいたのは、この小さなマシン…携帯だけだった。
お腹にやって来た小さな命……まだそれは虫みたく、何の感情もない生き物かも知れないけど、親の意思により立派な人に成りうる魂の元……。
その魂は…今…親が絶望の海に落ちた事……知る筈もなかった。